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国務院法制弁公室の《中華人民共和国不正競争防止法(改正草案審議稿)》の公表に関する公開意見募集の通知

2016-02-25

1993年に《中華人民共和国不正競争防止法》(以下、《不正競争防止法》と略称する)が施行されてから、20年余りの発展を経て、我が国の経済市場化の度合いは大幅に向上し、経済全体、市場規模、市場競争度及び競争状況にはいずれも極めて広範囲且つ深刻な変化が発生している。共産党中央委員会、国務院の市場の資源配分における決定的作用を発揮し、公正、開放、透明な市場規則を確立し、統一、開放、競争の秩序ある市場体制を確立するという目標を実現し、公正競争の市場秩序をより良く維持し、消費者の合法的権益をより良く保護するために、工商総局は様々な意見を統合し、現行の《不正競争防止法》に対する改正を行い、《中華人民共和国不正競争防止法(改正草案審議稿)》(以下、審議稿と略称する)を制定し国務院に報告した。社会各分野の意見と提案を十分に把握し、立法の品質を向上させるために、ここで審議稿の全文を公表し、社会各分野の意見を公募する。関連組織と各業界関係者は修正の意見がある場合、2016年3月25日までに、以下の方式で提出することができる。

1、中国政府法制情報ウェブサイトにアクセスし(ウェブサイトのアドレス:http://www.chinalaw.gov.cn)、トップページ左側の《法規規制草案意見公募システム》を介して審議稿に対する意見を提出する。

2、書類の形式で意見を下記宛先、北京市2067ポスト(郵便番号:100035)に郵送し、封筒に「不正競争防止法意見公募」と明記すること。

3、電子メールの形式で意見をfbzdjz@chinalaw.gov.cnに送信する。

国務院法制弁公室

2016年2月25日

出所:http://www.chinalaw.gov.cn/article/cazjgg/201602/20160200480277.shtml

 

中華人民共和国不正競争防止法

(改正草案審議稿)

国務院法制弁公室

2016年2月25日

第1章 総 則

第1条 社会主義市場経済の健全な成長を保障し、公正競争を奨励、保護し、不正競争行為を制止し、事業者及び消費者の合法的権益を保護するために、本法を制定する。

第2条 事業者は、経済活動において、自由意思、平等、公平及び信義誠実の原則を遵守し、公に認められた商業道徳を遵守しなければならない。

この法律において、「不正競争」とは、事業者がこの法律の規定に違反し、その他の事業者若しくは消費者の合法的な権益に損害を与え、市場秩序を攪乱させる行為をいう。

この法律において、「事業者」とは、商品の製造、経営又はサービスの提供に従事または参与(以下、「商品」とは、サービスを含む)する自然人、法人及びその他の経済組織をいう。

第3条 各級人民政府は、措置を講じて不正競争行為を制止し、公正競争のために良好な環境と条件を作り出さなければならない。

県級以上の人民政府工商行政管理部門は不正競争行為に対し監督検査を行う。法律、行政法規に対しその他の部門が監督検査を行うという規定がある場合、当該規定に従う。

第4条 国は如何なる組織及び個人が不正競争行為に対し社会的監督を行うことを奨励、支持しまた保護する。

国家機関の公務員は不正競争行為に参与し、支持し、庇護してはならない。

第2章 不正競争行為

第5条 事業者は商業的標識を利用して以下に記載する市場を混乱させる行為を実施してはならない。

(1)勝手に他人の著名商業的標識を使用し、若しくは他人の著名商業的標識と類似する商業的標識を使用することによって、市場を混乱させること。

(2)自分の商業的標識を突出させて使用し、他人の著名商業的標識と同様または類似するように、公衆を誤解させ、市場を混乱させること。

(3)他人の登録商標、未登録の著名商標を企業名称における屋号として使用し、公衆を誤解させ、市場を混乱させること。

(4)著名企業と企業グループ名称における屋号又はその略称を、商標における文字標識若しくはドメイン名の主体部等として使用し、公衆を誤解させ、市場を混乱させること。

この法律において、「商業的標識」とは、商品の製造者若しくは事業者を区別する標識を言い、著名商品の固有名称、包装、装飾、商品の形状、商標、企業と企業グループの名称及びその略称、屋号、ドメイン名の本体部、サイト名、ウェブページ、氏名、ペンネーム、芸名、チャンネル番組プログラムの名称、標識等を含むがそれらに限られない。

この法律において、「市場の混乱」とは、関わる公衆に、商品の製造者、事業者若しくは商品の製造者、事業者の特定の関係を誤解させることをいう。

第6条 事業者は、地位の優位性を利用して、以下の不正取引行為を行ってはならない。

(1)正当な理由なく、取引相手方の取引対象を限定すること。

(2)正当な理由なく、取引相手方にその指定した商品を購入するように限定すること。

(3)正当な理由なく、取引相手方とその他の事業者との取引条件を限定すること。

(4)料金を不正に請求し、若しくは取引相手方にその他の経済的利益の提供を不正に要求すること。

(5)その他の不正な取引条件を付加すること。

この法律において、「地位の優位性」とは、具体的な取引において、取引一方が資金、技術、市場進入、販売ルート、原材料の購入等の方面で支配的な位置にあり、取引相手方が該事業者に依存し、その他の事業者に変更させにくくすることである。

第7条 事業者は、次の各号に掲げる商業賄賂行為を実施してはならない。

(1)公共サービスにおいて、若しくは公共サービスを介して、当組織、部門又は個人の経済的利益を図ること。

(2)事業者同士が契約書及び会計証憑に事実を記載せずに経済的利益を供与すること。

(3)取引に影響を及ぼす第三者に対する経済的利益の供与、若しくは供与約束により、その他の事業者又は消費者の合法的権益に損害を与えること。

「商業賄賂」とは、事業者が取引相手又は取引に影響を及ぼす第三者に対し、経済的利益を供与し、若しくは供与約束をし、事業者のために取引機会又は競争優位の獲得を図るようにさせるようこれらを仕向けることをいう。経済的利益の供与若しくは供与約束をした場合には、一方は商業贈賄となり、経済的利益の収受又は収受に合意した一方の場合は、商業収賄となる。

従業員が商業賄賂を利用して事業者のために取引機会又は競争優位の獲得を図った場合には、事業者の行為と認定しなければならない。従業員が事業者の利益に反して収賄を収受したことを証明する証拠がある場合には、事業者の行為とは見なさない。

第8条 事業者は、以下の誤解を招く商業宣伝行為を実施してはならない。

(1)虚偽の宣伝又は一方的な宣伝を行うこと。

(2)科学的に結論が出されていない思想、現象を結論的な事実として宣伝に用いること。

(3)曖昧な言語又はその他の誤解を招く方式で宣伝を行うこと。

第9条 事業者は、以下に記載の営業秘密を侵害する行為を実施してはならない。

(1)盗難、勧誘、強要、詐欺又はその他の不正な手段で権利者の営業秘密を獲得すること。

(2)前項の手段で獲得した権利者の営業秘密を公開し、使用し、又は他人の使用を許可すること。

(3)約束に反し、若しくは権利者の営業秘密の保守に関する要求に反し、その把握した営業秘密を公開し、使用し、又は他人の使用を許可すること。

第三者が前項に掲げられた違法行為を承知しながら若しくは承知しておくべきでありながら、権利者の営業秘密を獲得し、開示し、使用し、又は他人の使用を許可する場合、営業秘密に対する侵害と見なされる。

この法律において、「営業秘密」とは、公衆に知られていない、商業的価値を有し、権利者が該当の機密保持措置を取った技術的情報と経営情報をいう。

第10条 事業者は、消費者に以下の有償販促行為を実施してはならない。

(1)設けられた賞品の種類、賞品交換の条件、奨励金額又は賞品等の有償販促の情報が明記されず、消費者の賞品交換に影響を及ぼすこと。

(2)賞品があると嘘をつく若しくは故意に既定者に賞品が当たる等の詐欺方式で有償販売を行うこと。

(3)賞品交換に不正な条件を設けること。

(4)宝くじ式の有償販促として、最高賞金の価値が2万元を超えること。

この法律において、「有償販促」とは、宝くじ式の有償販促と景品式の有償販促を含むことをいう。同一条件において、確定された奨励を供与する場合には、景品式の有償販促となり、偶然性のある方法で奨励の種類若しくは奨励を供与するか否かを決定する場合には、宝くじ式の有償販促となる。

第11条 事業者は、虚偽の情報、悪意のある評価情報を捏造し、散布し、不完全又は証明できない情報を散布し、他人の商業信用、商品の評判を侵害してはならない。

第12条 入札者は不正に入札し、入札価格を引き上げ又は引き下げてはならない。

入札者と入札を募るものとが、結託して競争相手の公正競争を排除してはならない。

第13条 事業者は、ネットワーク技術又はアプリケーションサービスを利用して以下のユーザーの選択に影響を及ぼし、その他の事業者の通常な経営を干渉する行為を実施してはならない。

(1)ユーザーの許可なく、技術的手段でユーザーがその他の事業者のネットワークアプリケーションサービスを通常に使用することを阻止すること。

(2)許可なく又は権利付与なしに、その他の事業者が提供するネットワークアプリケーションサービスにリンクを挿入し、別サイトへのジャンプを強制的に行うこと。

(3)ユーザーを誤解させ、詐欺し、強要することにより、他人が正当に提供するネットワークアプリケーションサービスを修正し、遮断し、アンインストール若しくは通常に使用できなくすること。

(4)許可又は権利付与なしに、他人が正当に提供するネットワークアプリケーションサービスの通常の運行を干渉し、若しくは破壊すること。

第14条 事業者は、その他の他人の合法的権益を侵害し、市場秩序を混乱させる不正競争行為を実施してはならない。

前項に規定されたその他の不正競争行為は、国務院工商行政管理部門により認定される。

第3章 監督検査

第15条 監督検査部門は不正競争行為を調査する時、以下の権限を行使する権利がある。

(1)調査対象の行為に関わる営業場所又はその他の場所に立ち入り検査を行うこと。

(2)調査対象の事業者、利害関係者又はその他の関連組織、個人に情状を聴き、証明書類、データ及び技術サポート又は不正競争行為に関わるその他の書類を提供することを要求すること。

(3)調査対象の行為に関わる契約書、帳簿、証憑、ファイル、記録、ビジネス電子ファイル、電子データ、視聴資料及びその他の資料を照会、複製すること。

(4)調査対象の事業者に被疑違法行為を一時停止し、調査対象の行為に関わる財物の入手経路及び数を説明し、該財物を移転、隠蔽、隠滅してはならないよう命じること。

(5)不正競争行為の疑いがある財物を没収し、押収すること。

(6)不正競争行為の疑がある事業者の銀行口座及び貯金に関わる会計証憑、帳簿、収支一覧表等を検査すること。

(7)違法資金を移転又は隠蔽したことを証明できる証拠がある場合、司法機構に凍結するよう申請ができること。

第16条 監督検査部門が不正競争行為を調査する時、調査対象の事業者、利害関係者又はその他の関係組織、個人は、事実どおりに関わる資料又は状況を提供し、監督検査部門に協力して法律に従って職責を履行すべきであり、監督検査を拒絶し、妨害してはならない。

第4章 法律責任

第17条 事業者が本法の規定に反して他人の合法的権益を侵害した場合、侵害を停止し、他人に損害を与えた場合、損害賠償の責任を負わなければならない。

事業者又は消費者は、不正競争行為の侵害を受けた場合、法によって人民裁判所に訴訟を提起することができる。

第18条 本法の第5条に掲げるいずれかの行為があり、紛争を引き起こした場合、当事者が協議して解決するが、協議を拒絶し若しくは協議が失敗した場合、当事者は人民裁判所に訴訟を提起することができ、監督検査部門に処理することを請求することもできる。

事業者が本法第5条の規定に反した場合、監督検査部門は違法行為を停止することを命じ、違法商品を没収し、違法な売上高が5万元以上である場合、違法な売上高の5倍以下の罰金を科し、情状が深刻な場合は、営業許可を取り消し、違法な売上高がなく若しくは違法な売上高が5万元未満である場合は、25万元以下の罰金を科し、違法な売上高が計算できない場合は、情状に応じて10万元以上100万元以下の罰金を科さなければならない。

本法第5条第1項第(3)節の規定に反する場合、監督検査部門は、当事者が一ヶ月以内に企業名称の変更登録を行うよう命じ、期限が満了しても変更申請を提出していない場合、監督検査部門は前項の規定を適用して処罰し、企業登録地の監督検査部門が該企業の名称を企業信用情報公開システムから削除し、登録番号又は統一の社会信用コードで該企業の名称を代替し、該企業を経営異常の名簿に掲載し、情状が深刻な場合は、営業許可を直接取り消すことができる。

第19条 事業者が本法第6条の規定に反する場合、 地級市以上の監督検査部門が是正を命じ、違法な売上高の1倍以上5倍以下の罰金を科し、違法な売上高がなく若しくは違法な売上高が計算できない場合は、その情状に応じて10万元以上300万元以下の罰金を科する。

所定商品の事業者が本法第6条の規定を違反した場合、前項の規定を参照して処罰する。

第20条 事業者が本法第7条の規定に反した場合には、監督検査部門は違法行為を停止するよう命じ、情状に応じて違法な売上高の10パーセント以上30パーセント以下の罰金を科さなければならず、犯罪を構成した場合には、法により刑事責任を追及しなければならない。

第二11条 事業者が本法第8条の規定に反した場合、監督検査部門は違法行為を停止するよう命じ、違法な売上高の3倍以上5倍以下の罰金を科さなければならず、違法な売上高がなく若しくは違法な売上高が計算できない場合には、情状に応じて10万元以上100万元以下の罰金を科し、情状が深刻な場合には、営業許可を取り消し、犯罪を構成した場合には、法により刑事責任を追及しなければならない。

第22条 事業者が本法第9条の規定に反した場合、監督検査部門は違法行為を停止するよう命じ、情状に応じて10万元以上300万元以下の罰金を科さなければならず、犯罪を構成した場合には、法により刑事責任を追及しなければならない。

営業秘密の権利者が、他人の使用している情報がその営業秘密と実質的に同じであり、他人がその営業秘密を獲得する条件があることを証明できる場合、他人はその使用している情報の合法的由来の証拠を提供する責任がある。

第23条 事業者が本法第10条の規定に反した場合、監督検査部門は違法行為を停止するよう命じ、違法な商品を没収し、情状に応じて10万元以上100万元以下の罰金を科さなければならない。

第24条 事業者が本法第11条の規定に反した場合、監督検査部門は違法行為を停止するよう命じ、影響を排除し、情状に応じて10万元以上300万元以下の罰金を科さなければならず、犯罪を構成した場合には、法により刑事責任を追及しなければならない。

第25条 事業者が本法第12条の規定に反した場合、監督検査部門は違法行為を停止するよう命じ、情状に応じて10万元以上300万元以下の罰金を科さなければならず、犯罪を構成した場合には、法により刑事責任を追及しなければならない。

第26条 事業者が本法第13条の規定に反した場合、監督検査部門は違法行為を停止するよう命じ、情状に応じて10万元以上300万元以下の罰金を科さなければならない。

第27条 事業者が本法第14条の規定に反して不正競争行為を行った場合、監督検査部門は違法行為を停止するよう命じ、情状に応じて10万元以上300万元以下の罰金を科さなければならず、犯罪を構成した場合には、法により刑事責任を追及しなければならない。

第28条 本法の規定に反した不正競争行為があることを承知しながら若しくは承知しておくべきでありながら、製造、販売、保管、輸送、ネットワークサービス、技術サポート、広告宣伝、支払決済等の便利な条件を提供した場合、情状に応じて10万元以上100万元以下の罰金を科さなければならない。監督検査部門の調査に積極的に協力し、事実どおりに事情を説明し、証拠を提供した場合には、軽く処罰し、若しくは軽減することができる。

第29条 本法に規定の没収、押収及び販売の一時停止が命じられた商品を移転し、隠蔽し、処分若しくは販売した場合、監督検査部門は関連する商品を没収し、関連する商品価格の1倍以上3倍以下の罰金を科さなければならず、価格が計算できない場合には、10万元以上100万元以下の罰金を科し、犯罪を構成した場合には、法により刑事責任を追及しなければならない。

第30条 監督検査部門が法によって実施した調査に対して、法定の理由以外で関わる資料、事情の提供に拒絶し、偽の資料、事情を提供し、証拠を隠蔽、処分及び移転し、若しくはその他の調査を拒絶、妨害する行為があった場合には、監督検査部門により是正を命じ、2万元以上20万元以下の罰金を科さなければならない。

第31条 監督検査部門の決定に不服とする場合、法により行政不服審査を申請し、若しくは行政訴訟を提起することができる。

第32条 不正競争行為を監督検査する国の公務員が権力を乱用し職務怠慢の場合には、法により処罰し、犯罪を構成した場合には、法により刑事責任を追及しなければならない。

第33条 不正競争行為を監督検査する国家機関の公務員が私利をむさぼり汚職を働き、本法の規定に反し犯罪を構成した事業者であると承知しながらも故意に庇護して起訴を逃れさせた場合、法により刑事責任を追及する。

第5章 附則

第34条 本法に規定の「以上」、「以下」は、いずれもその数を含む。

第35条 本法は  年 月 日から施行される。

出所:http://zqyj.chinalaw.gov.cn/draftDetail?listType=1&DraftID=987

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